オフィスのある神保町から電車を乗り継ぎ、揺られること1時間と少し。いま横浜では、4回目を迎えた現代アートの国際展、『ヨコハマトリエンナーレ 2011』が開催中です。
いろんなことがあって、先行きの見えない混沌とした時代だけれども、「謎や矛盾を柔軟に受け止めて、視点を変えれば、魔法のように、世界は開けるかも知れない」。そんな想いのもと、参加する作家も鑑賞者も、改めて既成の枠組みや観念について問い考える空間、作品が広がります。
(上写真は、入り口に配されたウーゴ・ロンディノーネの作品《moonrise.east.march》2005)
まずは今年のホットニュース。ヴェネチア・ビエンナーレ2011で金獅子賞を受賞した出品作品が本展でも見られると、クリスチャン・マークレーの『The Clock』が話題です。「一体、どれだけの映画を見てきたのだろう……!」とため息が漏れるほどに膨大なカット、あらゆるジャンルの「“時計が映っている”映画の一部」を、緻密に紡いだ映像作品。映像に映し出される“時計の針”は、現実の時間とほぼ同時……そう、24時間で完結する作品なのです。とても1日じゃあ見切れません! ハリウッド大作からアジアのインディペンデントな映画まで、妥協のないコラージュの嵐に巻き込まれて……。日本の作品を発見してニンマリ嬉しくもなります。
震災後に参加を表明したというダミアン・ハーストの出品は、遠目から見ると素晴らしい色彩の、ステンドグラスのよう。でも、ステンドグラスに模しているのはバタフライ、蝶の羽の集合体で、羽の光沢が艶めいているのでした。美しいものを形成しているのは、死。この作品を選定した意図があったのかないのかは分かりませんが、実直に作品と向き合いました。
また、訪れた際には作家の佐藤允さんが壁面にペイントを施している最中で、そんな貴重な様子も。繊細な線の重なりが絡まり、作品と呼応していきます。
ほか、さまざまな注目作家が目白押しなのはもちろん、ダンスやイベントなどの関連企画も多く開催されます。週末は横浜のベイエリアで、ぜひアートを体感してください。
『ヨコハマトリエンンナーレ 2011』
横浜美術館、日本郵船海岸通倉庫(BankART Studio NYK)、その他周辺地域にて、11月6日(日)まで開催。tel.03-5777-8600(ハローダイヤル) http://www.yokohamatriennale.jp/